以前の記事と矛盾するようですが、これは「会社が辞めて欲しい場合」のことです。

会社が従業員に辞めて欲しい場合、退職金制度があると、離職しやすくなります。

退職金制度は、制度によっては金額に上限を設定したり、リストラなどの場合に上乗せ支給する設計が可能です。

若手のために

例えば、若手・中堅従業員を中心にまわす会社の場合、一定の勤続年数で上限金額に達するように制度設計します。

「一定まで勤めたら、後進に道を譲って欲しい(勇退して欲しい)」という会社からのメッセージとなります。

本人からしても、これ以上退職金の額が増えていかないのは好条件とはいえず、転職を考えやすくなります。

経営不振時のやむを得ない施策として

また、会社の経営状態が悪化し、リストラや退職勧奨を行わなければならない場合、退職金を割増支給することで、離職を促進することができます。

対象の従業員は、通常よりも多い退職金により一定の納得性を得られ、退職後の生活保障についても当面は何とかなります。

これに比べて、退職金制度がなく、給料1カ月分を支払って解雇するような場合では、退職後の生活が不安で到底受け入れられないでしょう。

以上のように、退職金制度というのは離職促進の役割も果たすのです。