確定拠出年金を導入し、投資教育を行ったとして、株も買ったことのない従業員が運用なんてできるのでしょうか。

確定拠出年金は「投資の入門編」

確定拠出年金における「長期分散投資」であれば、投資に詳しくない従業員でも運用が可能です。

確定拠出年金は、数十年かけて老後の資産を運用する「長期投資」です。

また、毎月定額の掛金を投入する「時間分散投資」であり、リスク低減の必要性から複数商品に「分散投資」するのが基本です。
その商品自体も複数株の組み合わせで構成され低リスクとなっており、個別の株を売買するような運用とは異なります。

これらのことから、従業員は最低限、「資産の配分(割合)のチェックと修正」を定期的に行うことで、立派に確定拠出年金の運用をすることができるのです。

例えば、資産配分を「株式50%、債券50%」と決めていたとします。
ここから株式が値上がりし、債券が値下がりして「株式60%、債券40%」に変わったとします。
このとき、株を売却して代わりに債券を購入し、「株式50%、債券50%」に修正します。
(これを「リバランス」といいます)

値上がりしたものを売って、値下がりしたものを買う、これは「安く買って高く売る」ということです。

世界経済は短期的には上下しますが、長期的には成長していく前提であれば、このような作業を、例えば半年に一度など定期的に行うだけで確定拠出年金の運用ができてしまいます。
どのような商品が値上がりしそうか、といった予測は不要です。

運用は苦手、興味もないという従業員も

ただし、どんなに会社が説明しても、運用に興味すらもたない従業員も一定数います。
そのような従業員に対しどのように啓蒙するかが課題となるでしょう。

※一般論であり運用の成果を確約するものではありません