退職金のモデル金額が時代に合わなくなる

退職金のモデル金額をどうやって決めたかによりますが、場合によってはその根拠が崩れることもあります。

退職金制度を導入する際には、「モデル金額」を決めます。
平均的な従業員が定年退職した場合、いくらくらいの退職金がもらえるか、というモデルです。

決め方は、他社の統計金額を参考にしたり、老後の生活のために公的年金では足りない分を補う額とするなど様々です。

「退職金=無年金中の生活費補填」このままで良い?

例えば、定年が60歳で、年金がもらえるのが65歳からだとして、「60歳で定年退職してから65歳までの無年金中の生活費を補う」ものとして退職金モデルを設定していたとします。

しかし、今では「希望者全員65歳まで雇用確保義務」があります。
「希望者全員ではなく条件に合う者のみ」としている企業も、経過措置は平成37年4月までです。

このような場合、60歳前半にもらえる年金、再雇用中の給与、そして退職金をトータルで考えて制度設計していないと、いろんな矛盾が出てくるかもしれません。

今後も、再雇用や年金に関する法改正は起こるでしょうから、その際には他制度への影響を考えて制度の見直しを行っていくべきでしょう。