ポイントは「税金」
確定拠出年金(DC)の受け取り方法には、一時金と年金の2種類があります。
どちらで受け取る方が得なのでしょうか。
実際には、9割以上の人が「一時金」で受け取ると言われています。
一時金のメリットとしては、退職所得扱いとなり、勤続年数(=掛金拠出年数)に応じて非課税枠があるからです。
勤続20年までは1年あたり40万円、勤続20年を超えると1年あたり70万円が非課税です。
例えば勤続30年なら、1,500万円までなら税金がかかりません。
ですので、他の退職金も含めた金額がよほど高額にならない限り、一時金で受け取る人が多いのです。
一方、年金で受け取る場合は、雑所得となります。
公的年金等控除といって、60〜65歳未満なら70万円までが非課税。
65歳以上なら120万円までが非課税になります。
しかし、これは他の年金と合わせた金額で考える必要があります。
一般のサラリーマンの場合、65歳からの国の年金は、国民年金80万円・厚生年金120万円と考えると、すでに非課税枠を超えています。
確定拠出年金を文字通り「年金」で受け取ると、税金がかかる人が多いのです。
年金受け取りの特徴は、他にも次のようなものがあります。
・運用を継続する間も、運用益は非課税
・運用成績が良くない場合、運用が継続できる
(損失を確定させたくない場合)
・口座管理手数料がかかる(規約により会社が負担する場合もあり)
・受け取る時に振込手数料がかかる
・大金を一度に受け取りたくない場合に有効
あとは、本人にとってすぐにお金が必要かどうか、という点が重要だと思います。
従業員がいざ確定拠出年金を受け取るときには、一時金・年金の受け取り方法の特徴をきちんと理解してもらいましょう。